LP Record of Vladimir HOROWITZ

以下ホロヴィッツのLPレコードについて少し述べる。    Go To LP Discography 

基本となるLPのジャケット写真はこちら, また、レコード会社ごとのすべてのレコード・ジャケットの写真は英語の本の

Chapter 5にあります。


ホロヴィッツの珍しいLP

ホロヴィッツの演奏だけを含んだ初版LPは80枚ほどしかない。しかし多くの国でリリースされ、また、度々ジャケット・デザインを替えて再販され、レコード会社ごとには、全集としてリリースされたので、ジャケットの違ったLPは300枚ほどになる。これらはすべて「ホロヴィッツの遺産」に写真を載せた。中身が同じでも、ジャケットが違うものを集めたがるのが、コレクター心理である。私は世界中で販売されたものをほとんどすべて集めた。一体、どうして、同じ内容でジャケットの違うものが出たのかを、具体的な例で示す。まず第1番目に、ここでは特に珍しい英国のLPを紹介する。

これは英国のHMV社から1955年にリリースされたLPである。この時代英国のHMVでは上のジャケットと同じもので、色々な演奏家のLPが発売されたが、その中にホロヴィッツのスクリャービンのソナタ3番と前奏曲がある。これと同じ犬のマークのジャケットのホロヴィッツのLPは外にもまだある。これは米国RCAからライセンスされたものだが、米国のLPジャケットとは全く違う。米国の初版は下に示すが、こちらが本家である。

本家の米国のものより英国の物の方が私にとっては面白い。フランスにも英国と同じ、この犬のマークのLPが販売されている。英国のLPには王室御用達のマークがついている。

日本の初版は以下に示すように、米国のジャケットと同じ写真を使って販売されたが、少し異なる。その後日本では、ホロヴィッツ人気が高かった事もあり、日本ビクターからホロヴィッツ全集が4回も出た。

 

下の写真は、全集として最初に出たもので、米国RCAからリリースされたものを、5つの箱に分けられて販売された。今まで示したスクリャービンのLPは4番目の箱でに入っている。

その後1960年代後半に,また全集がでたが、今度はバラ売りされた。21枚のジャケットの図柄は統一されていた。この2番目の21枚組全集はVRAシリーズと名付けられている。

そしてさらに、第3回目は、米国RCAがリリースしたものすべてを含んだLPを2つの箱に入れて販売した。これはSRAシリーズと呼ばれている。下の箱には11枚のLPが納められてるいて、その中の1枚がスクリャービンである。

次に示すものはLPの最後の21枚組の全集で、RVCシリーズと名付けられている。これ以降もホロヴィッツの全集は日本ビクターから(もちろん米国でも)販売されるが、もはやCDの時代になったので、LP全集はRVCシリーズまでである。

 

RVCシリーズのスクリャービンLPである。以上示したように、同じ内容でもジャケットが全く違ったLPがある。ここでは英国、米国、日本を例にとって示したが、英国でも別なものがあるし、フランス、ドイツ、イタリアでも販売されたから、多くのものが残されている。こうしてジャケットの異なるLPが多く存在することになる。これらの写真はすべて「ホロヴィッツの遺産」に載せてある。また、最新のすべてのLP写真はChapter 5 に有ります。


LPとは

LP(Long Play)は1分間に33.1/3回転するレコードで、78に比べ薄く、軽く、割れない素材で作られている。1948年米国コロンビア社の発明である。

12 インチLP

これは初期に販売された赤いLPである。LPの全盛期はすべて黒である。

10,7インチLP

10,7インチ共に、LP時代の初期に発売された。7インチのLPはドーナツ盤と同じだが、真ん中の穴が小さい。米国で12インチで発売されたものも、日本や英国では10インチ、7インチで販売された。特に日本では価格を安くしたかったので10.7インチのLPとなった。12インチが1500円だった時、10インチは1000円、7インチは500円だった。

珍しいLPその2

これは非常に珍しいフランスのPatheからでたHorowitzのLPである。英国のHMVと契約し、過去に78でリリースされたものをLPで出したが、ホロヴィッツが許可しない演奏が含まれていたので珍しいものとなった。